現実的に原価低減を行う方法について解説します

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原価低減ができず悩む人

・工場経理やっているけど、なかなか原価低減が進まない・・。
何をすれば良いんだろう・・。

・原価低減をするための設備投資資金がない・・。
お金がなくても原価低減をする方法を知りたいな。

今回はそんな疑問・不安に応える記事です。

現実的に原価低減を行う方法をお伝えしていきます。

目次

本に載っているような原価低減の実現は難しい

メーカーにとって原価低減ができるかどうかは、その市場で生き残れるかどうかを決める重要な要素といっても過言ではありません。

私も色々な本を読んで勉強しました。

ITが進んでいないからIotを活用しよう、商品を絞って生産コストを下げよう・・等書いてあります。

ですが、本に書いてあることをそのまま実行するのはなかなか難しいです。

設備投資をする潤沢な資金がないなかで、顧客からの様々なニーズに応えながら生産を行うのと同時に原価改善を進めるのは至難の業です。

私は、本社に申請をしても設備投資をしてくれず、それなのに多品種のものを安く作れと指示をされる、そんな工場で働いていました。

そのような無理な要求に対して、日々生産をし続ける現場の方には、本当に頭が下がります。

そのような中で私が取り組んだ原価低減方法についてお伝えしていきます。

現実的な原価低減の方法とは

IT化がいくら進んでいたとしても、結局のところ生産の標準工数や、経費予算を決めるのは人なので、人の心に響くような対策を考えないと現実的な原価低減はできません。

以前の記事でも書きましたが、悲しいかな、工場経理担当者は生産も改善もできません。
ただし、テクニカルな会計処理の実施と人の心に迫った対策の提案はできます。

私は原価改善のために、

①修繕費で購入した予備品の適切な資産化
②生産工数の目標設定の厳格化

上記2点を行いました。

まず①ですが、当時修繕費について毎期多額の計上があり、経費を圧迫する一つの原因となっていました。

なんでそんなに多額なのか現場の方にヒアリングし、さらに修繕費の購入データを確認しますと、購入した中に設備の予備品も含まれていました。

しかもそのうちの大部分は今期に使用するものではなく、来期に使用する予定のものでした。

経費で購入し、期末時点で未使用であれば、それは”貯蔵品”という資産勘定に振り替えるべきですが、その処理を正しくやっていないようでした。

貯蔵品として計上するために、修繕費をマイナスして貯蔵品をプラスにすれば、今期の経費は減ります。

しかも貯蔵品へ資産化をすれば台帳に記載され、何があるかを見える化でき、買い過ぎを防ぐことができます。

家計で考えてみても、買い物したものを正しく把握していれば、余計なものを買うことはありませんよね。

会計上正しくて、当期の経費は減り、買いすぎを防ぐことで来期以降の経費計上の抑制もできる、このようなテクニカルな会計処理は工場経理担当者しかできませんので、すぐに進めました。

この処理は工場経理にしかできない改善の一例と考えています。

②は人件費の工数予算設定の話です。

工場での予算作成業務というのは、現場の方々との知恵比べ合戦です。

現場は”これだけ工数がかかる!”と言い、工場経理は”いや!そんなはずはない!”と押し問答が繰り返されます。

毎回同じような議論になるので頭を悩ませていました。
でも予算を苦労して組んだ後、なんとどこの現場も余裕で工数予算を達成しています。

なんとなく分かっていたのですが、どこの現場も保守的に工数予算を持ってきていたのです。
人間ですから予算未達成で怒られたくないですからね。

あとは現場のことは現場がよく知っているので、言いくるめられていた部分もあったようです。

そこである年の予算期に、予めかなりきつめの係数を掛けて工数予算を作成するように指示を出すようにしました。

もちろん現場からはできねーよ!のオンパレードです。
ふてくされてしまった方もいました。
ですが現場に何度も足を運んで、説得をしてなんとかその条件で考えてくれることになりました。

この出来事により、以前より良い塩梅の工数予算をもってきてくれることになり、現実的な工数予算を組んで管理できるようになりました。

以上のように工場経理はテクニカル的な会計処理はできますが、原価改善のためには現場の方々の協力が必須です。

原価改善の鍵を握っているのは現場の方々ですので、知恵比べに負けないように知恵を絞って応戦し、原価改善活動を進めていきましょう。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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