屑削減は屑が減るから良いことなのはわかるけど、他には何か良いことがあるのかな?
今回はそんな疑問に応える記事です。
工場運営をしていると常に話題にあがる”屑削減活動”について考えていきます。
今回は工場経理と言うよりも、生産現場目線の話になりますがご確認頂ければと思います。
屑が削減できたとしても影響金額は小さい
工場で働いたことのある方はなんとなく気付いているかもしれませんが、屑削減をしても効果金額はあまり大きくありません。
屑を削減すると材料費を抑えられ、生産量もしっかり取れるので重要とは分かってはいるものの、屑削減を行うためにはかなりの労力を要します。
原価改善を求めるのであれば原材料費の購入費を抑えたり、生産性改善による人件費良化を狙って方が効果が刈り取れます。
ということは、原価改善以上に重要なことがありそうです。
なぜ屑削減活動を行うのか
屑削減活動を行う理由は下記の2点と考えています。
屑削減活動を通して、幅広い実務を学べるため
屑を削減するには、生産の仕方に問題があれば流れを変えたり、設備に問題があれば設備を直したり、また現場の3S(整理・整頓・清掃)や5S(3S+清潔・しつけ)を意識的に実行するなど、様々な面からのアプローチが必要です。
ということは、屑削減のためには生産現場の全てを把握することが必要となり、これまで知らなかった実務を学べるので、人材育成の意味合いも含まれていると考えています。
屑が発生したら、それが生産の流れが原因なのか設備が原因なのか、または異なる部分が原因なのか全てを見て、データを見て、仮設を立てて挑まなければなりません。
そういった思考は今後どの現場に行ったとしても生きますので、良い経験になります。
何かあったら真因を掴んで改善するという”改善マインド”も育ちますので、屑削減活動は刈り取れる金額も大事ですが工場の未来のことを見据えて行っていると感じます。
目標にこだわりを持ち、自責思考を養えるため
工場(会社)で働いていると上がってくる数字に対して、どこか他人事のように感じてしまうことがありませんか。
屑削減活動は、ある程度自分でコントロールできるものなので、自分が頑張れば結果が数字に表れてきます。
出てきた数字に対しては決して他責にせず、自責で考える必要があります。
工場のお金を自分の家計と同等の感覚で認識し、自分で設定した目標の数字に対してとことんこだわり、目標が達成しない場合は何がいけなかったのか、達成した場合は何が良かったのかを考え抜く力が付きます。
この経験は今後どの職場に行っても必要な意識なので、やはり良い経験になると考えます。
今回のまとめ
今回は工場が屑削減を求める理由について考えました。
なぜ屑削減活動を行うのか
①屑削減活動を通して、幅広い実務を学べるため
②目標にこだわりを持ち、自責思考を養えるため
屑削減活動は目先の刈り取れる効果金額は小さいものの、活動を通して実務や考え方を学ぶことができます。
今屑削減活動中で大変な思いをされている方がいましたら、それは将来のために行っていることと認識頂ければモチベーションアップにつながると思います。
少しずつ頑張っていきましょう。