・会計士監査を受けることになったけど、会計士を何を見ているんだろう?
・会計士監査では何を気を付ければ良いんだろう?失敗談があれば聞いてみたいなぁ。
今回はそんな疑問や不安に応える記事です。
棚卸の説明会は超重要
経理に所属していれば経験するのが会計士監査ですよね。
別に悪いことをしていないのに、監査と言われるとなんだか嫌な気持ちになりますよね・・。
私が経験した工場経理実務での会計士監査は下記の内容でした。
・原料と仕掛品の実棚卸の手順&仕掛品残高の算定方法
工場では原料・仕掛品等の棚卸資産がたくさんありますから、本社であるような書類の監査だけでなく、実際の棚卸の手順も監査の対象になり、正しい手順で棚卸を行っていますか?ということを監査されます。
仕掛品残高の算定方法の方は工場経理担当者が行うため自分で計算すれば良いので自分の力量で何とかなりますので、難しいのは実棚卸の手順の方です。
これが難しいのは、工場経理担当者だけでなく工場の棚卸に関わる全員の従業員の棚卸手順が合っているかを見られるからです。
自分がいくら正しくやっていても、誰かがヘマをしたら不適合くらっちゃいますからね。
こわいですよね・・。
そこで重要なのが棚卸説明会の開催です。
棚卸の手順を確認するために必要なんです。
棚卸当日までの流れはこうなります。
棚卸前日まで・・全体での棚卸手順の説明会を開催
棚卸当日・・・・各現場でのより詳細な棚卸手順の説明会を開催
棚卸では棚卸手順が工場全体に浸透しているかが重要になりますので、このようにし複数回の説明会を実施する必要があります。
私も会計士の先生から、事前に説明会を開催しているか、また当日に棚卸手順の確認をしているかどうかをしつこく聞かれました。
そこで棚卸当日の説明会は実際に会計士の先生に見てもらい、納得頂きました。
ホッとしたのを覚えています。
何回説明会を実施しても間違う人はいるので要注意!
でもですね・・そこまで何回説明をしてもわからない人・勘違いしている人は必ずいます。
そういった人を最大限減らすしかありません。
ここで私が会計士監査を受けていて、青ざめた体験をお話します・・。
そのときは仕掛品の棚卸手順の監査を受けていました。
ある現場は棚札に数量を書いてから仕掛品に貼る、というやり方が正しいやり方でした。
しかし、当日の担当者の方が何を思ったのか、何も書いていない棚札を全ての仕掛品にばーーっと貼りまくっていました・・。
おそらくその方は、先に棚札を貼ってから数量を書いた方が効率が良いと判断したのでしょう。
でもですね、それをやってしまうとどこまで数量を書いたかわからなくなってしまいますし、なによりそのやり方は工場では正しい手順としていないんです。
すると会計士先生がこう言ってきました。
会計士先生「ダイゴさん、あのやり方って合っているんでしたっけ・・?」
ダイゴ「・・・(やばいやばい)ちょっと待って下さいね〜・・」
私は別のところを見ていて、気づかなかったんです・・。
その瞬間に頭が真白になって・・、冷や汗がタラーっと・・。
ソッコーでその現場の責任者に連絡して、会計士先生の前で直ちに棚札を全回収して、一からやり直しをしてもらいました。
その対応が効いたのか、お咎めなしで済みました・・。
いまだに思い出すことがあるくらい、苦い思い出です。
不適合を出されなくて本当に良かった・・。
それから、これとは別にもう一件ありました。
機械に仕掛品が残ったままで、棚卸モレになりそうな現場がありました。
こちらも会計士先生から、「あれは棚卸はしないのでしょうか・・・?」と
指摘され、直ちに棚卸対象品としてカウントしました。
いやー、これも冷や汗かきました・・。
結局私が在籍中は会計士から指摘をされることなく済みました。
会計士監査が来るとなると、工場全体が緊張感に覆われて、その緊張から予期しないことをしてしまうことがあります。
“監査”と一言でいっても工場ではこのような手順の監査も行われますので、これから監査される方は注意して下さいね。
会計士が見ていること
工場で会計士監査を複数回経験した経験から、会計士先生が見ていることは主に下記の2点でした。
- 棚卸方法が工場全体に浸透していて、正しい手順で行えているかどうか
- 棚卸に欠けや重複がないか
この2点です。
1点目は上記で説明した通りで、2点目は実棚卸で欠けや重複がないことも重要ですが、仕掛品の集計のときも同じことが言えます。
実棚卸後に行う仕掛品の集計の際は、棚卸が実施された現場から棚札を全て回収して集計するのですが、あるとき1枚足りませんでした・・。
これは大事です!
もし集計モレがあったら仕掛品の金額が狂ってしまうのでとてもやばいです。
私はそのとき現場に行き、血眼になって棚札を探しまくりました。
そうしたら、機械の間に1枚挟まっていました!
ついつい、よっしゃー!と、その場で叫んでしまいました。
現場の方からは、なんであいつは紙を握りしめて喜んでいるんだ?と思われたかもしれませんが、本当に安堵しました。
皆様はそのようなことがないようにご注意下さい。